いやぁ、まいったまいった。
長男が夕食の時、泣きそうに真剣に、次のようなことを言い出した。
「ねぇ、ほんっとうに、『ぼく』って誰なの?
名前は知ってるよ、でも本っ当は、『ぼく』って誰なのか、わからない・・
地球っていう『名前』は知ってるよ、でもほんっとうの地球って何?
骨があって、口と歯でいろいろ食べる、でも僕っていうのは何?
『僕』は『骨』とか『血』だから、わからない。なのにどうして自分で僕って分かるの?
『いす』なのに、『木』なの?」
支離滅裂になりながらも、なんとか言葉を的に当てようとする長男。
自分を形成している「材質」と、それぞれの器官の「機能」、
それプラス、目に見えない「意識」「認識」「記憶」。
骨や血であり、人間であり、『僕』であると意識するところの僕。
・・なんて難しいことを考えるようになったんだ、長男は。
この疑問、よくわかる。私も同じように思った時期があった。
悩め悩め!
私が、「『僕』っていうのが何なのかを考えるのが、大人になるってコトだよ。」
と言うとますます持って不満げな表情。
で、お茶を飲み干すと、
「ねぇ!身体が太ると、おへそへっこむで。」
・・・・
さっきまでのモヤモヤは、どこへ?アホなことを言う長男に戻っていた。