スタイ・・スタイ?スタイってなんだっけか?聞いたことあるなぁ・・
あっ!「よだれかけ」か!思い出すのに時間がかかった。
おくるみ、コンビ肌着、ロンパース、2ウェイオール、マグマグなんかもそうだ。
もう日常的に使う言葉ではないのだ。
一人目の妊娠初期。
何から用意したらいいんだか分からず、とりあえずミミッピをポンと一つ買ってみた日。
あの日から16年も経ってしまった。
息子たちは6月、7月生まれなので今ごろの季節は臨月でフーフー言って歩いてた。
仕事もしてた。息苦しかったなぁ~
もともと、子供は好きだった。特に赤ちゃんが好きだった。
赤ちゃんは貴重。
赤ちゃんは宝。
そして赤ちゃんって、非日常。
赤ちゃんという期間(生後7~8ヶ月くらいまで)って、あっと言う間に過ぎちゃうので、
赤ちゃんを見たり触ったりすることができるのは貴重なことだ。
他人さまの、赤ちゃんを・・
見てるとボーっとして・・
あぁ、赤ちゃんてフニャフニャだなぁ・・
新しくて可愛い。可愛いけどコワい。コワいくらいに新しい。
ワタシにもできるかなぁ?って・・
あれ・・?記憶が錯綜し始める。
おい!やってきたじゃん。もう終わったよ、ワタシは。
育児の記憶ってほんとにどんどん薄れて忘れていく。
妊娠、出産、育児・・
自分がこんな偉業を成し遂げたなんて信じられないような気もする。
今なら、無理。
実際、乳児はフニャフニャでフワフワな質感ではなかった。
コリっとして固く重く、そしてかなり力の強い動体であった。
扱うには相当な指と腕の力を必要とした。思い通りには決して動かなかった。
「すぐに大きくなっちゃうよ、今を楽しんでね!」
ワタシも乳児を連れたお母さんにはそう言ってしまうけど、実際じぶん楽しんでやってたか?
信じられないけど・・
お ぼ え て な い 。
あんなに貴重で神秘的で幸福に満ちた乳児期のことを・・
いや乳幼児のときのことばかりではない。
保育園児のころのことも、悲しいくらい覚えていない。
写真やビデオを見ないと思い出せない。
「オカーチャンは忘れんぼうさん」「カーチャンはチャランポランだ」。
息子たちによく言われるが、心外だ!
母子手帳を見ればちゃんと予防接種を抜けなく受けているではないか!
提出物だってなんとか出せている(かなりの努力と工夫を要す)
けど、やっぱり忘れんぼうさんなのか・・子育ての記憶はどんどん忘れていく・・
だったら!もう一度、一から子育てしたいか?
いや・・もういいです。
正確に言うと、無理です、体力的にも精神的にもできないと思う。
ものすごく幸せな出来事だったけど、あれはあれで、もういいや。
世のおばあちゃんは、こんな風に自分の子育ての記憶を錯綜させ手繰りながら、
孫を見てるんではなかろうか?
「経験してきたんだから、分かってますよね?慣れてますよね?」
・・いいえ、すべて一からです。
ワタシも息子の子供たちを見るまでは、元気でいたい。